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5年生まほろば学習
「人と環境に優しいバケツ稲づくり」
1学期編
食料自給率がカロリーベースで40%にまで落ち込んだ日本。このままでは日本の農業が,そして未来のわたしたちが危ない… さらに環境問題は…
発芽,土づくり,水管理から収穫,脱穀,精米,そして最後は実際にいただくところまで,全て自分たちの手によるバケツ稲づくりに挑戦してみよう。そしてバケツ稲づくりを通して,これからの食料生産,食育,そして環境問題まで考えてみよう。
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5月6日(金) 塩水選・芽出し
JA全中よりバケツ稲セットをいただきました(品種は晩生の日本晴)。そのまま芽出しも行えるのですが,社会科の時間に習ったように,塩水を使って良い種もみを選ぶ「塩水選」を行ってみました。その後(実際にはお湯を使った消毒もありますが,省略),シャーレの中で芽出しを行いました。
水100g対して食塩13gをとかした塩水(比重1.13)に種もみを入れて待ちます。
画面では分かりにくいですが,沈んでいる種もみは,それだけ中身がしっかり入っているというものです。
5月10日(火) 土づくり
芽が出るまでの間に土を準備します。幸い昨年のビオトープ小川づくりの際にいただいた田土の残りがあったので,それを活用することにしました。
使う土は,田や畑の土が最も良いということで,昨年いただいた田土の残土を活用することに。
土はそのまま使うのではなく,よくほぐした上で乾燥させると,土の中の菌の活力が増すそうです。
5月13日(金) 種まき
芽が出るまでの間に土を準備します。幸い昨年のビオトープ小川づくりの際にいただいた田土の残りがあったので,それを活用することにしました。
このように1週間で約1mmの芽が出ました。これをいよいよバケツの土に植えます。
既に肥料も入ったバケツに種まきをします。葉が出るまでの間,スズメ対策に苦悩することに…
5月31日(火) 苗の移しかえ
しばらく平年以下の気温の日が続きました。少し成長の遅れが心配されましたが,5月の終わりには葉が数枚になるまで成長しました。
ここまでの成長の様子を確かめましょう。葉の枚数,大きさなどを調べて記録しています。
大きいもので約10cm位までのびました。葉も3〜4枚ずつ付き,よい苗だけを2〜3本にまとめてバケツの中心に移します。
6月1日(水) バケツ稲づくりの工夫を考えよう
マニュアル通りでも成長するのですが,人や環境に優しい稲づくりを目指して,そして鳴鹿小学校の環境,例えばスズメや日当たりの問題をどのように解決するか,みんなで考えて発表しました。
調べた内容は,日本晴の特徴,味が良く収穫量の多い稲づくり,スズメ・害虫・病気対策,肥料や日当たりの工夫です。
どろんこ教室でもお世話になっている前田さんから貴重なアドバイスをいただきました。
早速バケツ稲を,教室横のベランダから保健室前に移動。日当たりや水の問題はある程度解消されたでしょうか…
6月7日現在の稲の様子です。中心に移した稲はしっかり根付き,分げつも始まっているようです。
6月〜8月 稲の生長の様子と観察
しばらくは生長の様子を見守るのですが,「分げつ」の進み方,「中ぼし」の実施,病害虫の観察など見るべきところはたくさんあります。
6月21日
撮影。背たけは約20〜30cmに伸び,
分げつ
(稲がくきをふやして大きくなる)も進んでいます。
6月27日
撮影。背たけ約40cm位になりました。写真で分かるように水を抜いています。
中ぼし
です。
観察の様子です。中ぼしは,土の中に酸素を取り込むとともに,水を求めて根を伸ばさせるためです。
分げつによるくきや葉の数の変化,草たけを調べて,ノートに記録しています。
7月13日
撮影。1学期最後の稲の観察です。このあと夏休みのために,各自バケツ稲を持ち帰りました。
8月2日撮影。背丈も80cmほど。葉の数も大幅に増えました。
8月中旬〜穂が出始めました
早稲(わせ)の「ハナエチゼン」や中稲(なかて)の「コシヒカリ」は,かなり前から穂が出ていますが,今回栽培している晩稲(おくて)の「日本晴」は,この頃から穂が出始めます。稲の花を見逃さないようにしましょう。
8月19日
撮影。この状態では分かりにくいですが,穂が確認できています。
2本確認できた穂の1本です。花がついているのが確認できますが,既にほとんど閉じているので,見えるのはおしべです。
穂はどこから出てくるでしょう? くきの途中がふくらんでいて,そこから出てくるのです。これより約20日前には「幼穂(ようすい,穂の赤ちゃん)ができていたと考えられます。
8月23日に撮影した稲の花の拡大写真です。時刻は午前10時。この前後2時間ほどしか花は咲いていません。白いのはおしべ。めしべはちょっと見えにくいですね。
同じ日に撮影した別角度の写真です。花がこんなにたくさんついています。
8月24日の全校登校日に花を観察する様子です。みなさんの稲には穂や花がついていますか?
→2学期編へ続く